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1 行事名 第16回三重県合唱コンクール
第29回全日本合唱コンクール三重県予選
2 年月日 1976年10月10日(日)
3 場所 松阪女子短期大学名石館
4 課題曲 混声 G2 Virga Jesse Anton Bruckner曲
5 自由曲 LISZT FERENCHEZ(フランツ・リストに捧ぐ)  門 えりお訳詩/コダーイ作曲
6 審査結果 金賞(総合1位)

歴史講座「うたおに」創世記
〜コンクール初出場の巻〜

 1976年10月10日(日)
 松阪女子短期大学名石館特設ステージでのスパーリングを済ませ、団員は三々五々、昼食へ。現在と違って、サルーテや与太郎はなく(焼鳥のマエジマ食堂はありましたが)タロー、ケンタローを中心としたメンバーが市内のハイカラ・ゴッツイAさん宅に集い、手作りのお弁当をひろげます。
 初出場のコンクールですから、いくら課題曲がブルックナーの「ヴィルガ・イェッセ」だからといって、本番前に「ビールがイェッセ!」となってはいけないのですが、後日、その話を聞いて涙を流して怒った女声団員がいたくらいですから、恐らく、そのような伝統は、その時、始まったものと思われます。
 ビールの酔いを醒ます間もなく本日のファイナル・ステージ。初体験に燃える男声陣は、階段教室を駆け降り、悦ッチャンの、あざ笑うかのような視線を背骨に感じつつ、ステージによじ登ります。
 ケンタローを7万5千点で打ち負かし、ふっきれたMr.タフネスの棒が振り下ろされた瞬間、ブルックナーの純正調が会場にたちのぼります。
 そして、コダーイ。「門(とう)えりお」(本名:田中信昭)の訳で「ヨーニナーダカキ オーンガークカ」なる爆裂ユニゾンで、一大絵巻は切っておとされます。馬車馬のごとく駆け出した「うたおに」。キングコングのごとき熱き指揮に、ピッチはみるみる上昇し、終始音はHigh−Cに!
 はっと我にかえると、ウォーという大歓声と拍手の嵐。結果は金賞。総合1位のおまけつき。
 11月3日の中部大会への出場権を得て、その日は大サワギ。特に、オリバーは興奮して寝られず、早朝より朝日新聞販売店の前で、朝刊トラックがやって来るのを、寒さこらえながら待っていたという話です。
 ところで、審査員各位のコメントを・・・・・・・

  
金谷良三氏


「そこまでは夢心地でしたが、ブルックナーの音を耳にして目が覚めました」

日下部良彦氏


「コダーイのあの難しい、アカペラの曲を、こんなに良いピッチで歌うとは、ダントツです!」

浜田荘ニ氏

「男声の並び方が悪い」


1988年6月23日発行 「おにっ子通信」第17号(当時の団報)より抜粋


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