11月1日(月) 19:15〜
式典も終わり、いよいよ本番です。
約1000人の聴衆からの拍手と地元ケーブルテレビの生中継用カメラが舞台でお出迎え。
メンバーのテンションは次第に高まります。
本来、スローテンポ&ウルトラバラード大好きな指揮者(団長)は、この中国公演に対し、あえてアップテンポの曲目を増やしました。
前回の鎮江公演で、最も受けた曲は、今回も演奏するGAMELAMでした。インドネシアのガムラン音楽を声で模したこの曲を演奏すると、曲の途中にも関わらず拍手を受けたものです。
中国人の琴線に触れるのは、派手な曲と判断した指揮者は、世界の民族音楽、中でもとりわけバーバリックな曲目を冒頭に並べました。
1曲目は、Pseudo−Yoik(マンテアルヴィ作曲)。この曲は純粋な民謡ではありません。しかし、そのインパクトは強烈でオープニングに相応しいものです。
ただし、歌い手にとっては、音楽に乗り遅れたら命取りです。いつもに増して音を出す直前、集中を高めます。
最後にフォルテッィシモで和音が鳴りやんだ瞬間、会場から間髪いれず拍手が沸き起こりました。ひいき目でなくお客さんは音楽に反応してくれています。
気をよくして2曲目、Oy,polna,polna korobushka(ロシア)これまた派手派手路線のロシア民謡。観客の反応も上々です。
3曲目は、一転してスローテンポでアリラン(朝鮮)。
いつものプログラムは、緩、緩、急、緩ですが、中国版は急、急、緩、急。アリランは緩です。ようやくここで落ち着きます。
世界の民謡残りの3曲は、また急です。4曲目Mamayog akun(フィりピン)は最後に足踏みが入る派手な曲。こういう曲の場合、筆者は張り切りすぎて他のメンバーのヒンシュクを買うのが常なのですが、この日は男声が張り切っています。テンポもすべり気味だったので、断腸の思いで筆者はセーブする側に回ります。
「俺の専売特許を取るな(泣)」
5曲目 Kaung’a Yachee(ケニア)、6曲目 Gamelan(インドネシア)ともにテンポのある曲で世界の民謡が一段落します。
ここから日本のうた。7曲目 ソーラン節、8曲目 通りゃんせ、9曲目 ずいずいずっころばし、10曲目 村の鍛冶屋の4曲を中国のお客様はどのように聞いてくれたでしょう。
そして前半のメインイベント。中国のうた。本場の人達の前に歌う中国のうたは、メンバーにはプレッシャーです。指揮者はMCで「中国語を一生懸命勉強してきました」と発言し、大喝采を浴びています。ダイジョウブ?
そんな不安も11曲目 Fengyanng Songで吹き飛びます。軽快なテンポで ♪ゾオ ショオ ロー♪ と歌いだした瞬間、演奏中にも関わらず、客席から拍手が沸き起こります。
ちなみに鎮江で演奏すると曲中でもしばしば拍手が起こります。拍手の意味は「その曲知ってる!」だったり、「それ格好いい!」だったりします。
12曲目The Flowinng Streamは日本語で「小川さらさら」。中国シリーズの中で最もスローテンポで幻想的な編曲です。
13曲目 Mayilaは再び軽快なテンポ。よく知られた曲らしくメロディーが始まると再び拍手です。
そして、14曲目 Jasmine Flower(モーリー・ホア)。恐らく、中国で最も知られているこの曲は、第1回目の鎮江公演のアンコールでした。曲が始まるや否や、大きな拍手が沸き起こります。中国でのコンサートを計画している外国の合唱団があったら、必ずこの曲を演奏するべきです。それほどこの曲は中国人の心に深く刻みこまれているのです。
15曲目 Diu Diu Dengは村に汽車が通って喜ぶ風景を描いています。冒頭からの無声音は汽車が動き出す様ですが、伝わりましたかね?
16曲目からは、再び世界のうた。Shenandoah(アメリカ)で一旦スローに聴かせてから、Och jungfrun hon gori ringen(スウェーデン)
と18曲目 South Australia(オーストラリア)で派手に前半を締めました。
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